本来ですとスーパースポーツの1980年代に移る予定でしたが、超弩級スポーツカーでなくても忘れてはいけない名車も多いと考えて今回から欧州を発祥とする軽量スポーツカーやスポーティカーの名車について書いて行きたいと思います。
スタートは1950年代からです。1台目はイギリスのモーガン・プラス4です。
元々1920年代3輪車(スリーホイーラー)のメーカーだったモーガンが、1933年に初の4輪車として発売したモーガン4/4の上級モデルとして1950年発売されました。仕様は、全長3,660mm、水冷直列4気筒OHV,1,991cc、101HP,最高速度160km/hで基本設計は30年以上変わらずでした。
2台目は、ポルシェ550・1500RS・スパイダーです。
1954年末より市販され最終的に100台以上生産されました。1955年アメリカに輸出された最初の4台の内、1台をジェームズ・ディーンが購入し、約1ヶ月後に事故死した事は、良く知られています。仕様は、全長3,600mm、空冷4気筒SOHC,1,498cc、110HP,最高速度220km/hです。
3台目は、アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スプリントです。
アルファ・ロメオ初の小型車として1954年にデビュー。当時としてはレーシングカーに匹敵する驚異的なスペックで世界中のモータリストに熱狂的に迎えられ、アルファ・ロメオ社をイタリア第2位のメーカーに引き上げるヒット作になりました。仕様は全長3,980mm、直列4気筒DOHC,1,290cc、80HP,最高速度165km/hです。
次が、有名なマルセデス・ベンツ300SLの普及版190SLです。
300SLと同時に1954年発表されましたが、中身はセダンの190タイプと共通点が多く、低価格と扱いやすさから人気が有りました。仕様は、全長4,290mm、直列4気筒SOHC,1,897cc、105HP,最高速度173km/hです。
5台目が、フォルクスワーゲン カルマン・ギア1200です。ギアがデザインし、カルマンが製作するボディをビートル・タイプ1に架装したパーソナルカーです。
1955年にクーペ、1957年にカブリオレが、発売されました。仕様は、全長4,140mm、空冷水平対向4気筒OHV,1,192cc、30HP、最高速度115km/hで性能的には取るに足らない性能ですがギアの流麗なスタイリングが最大のセールスポイントでした。
次が、同じ1955年に発売されたMGーAです。戦前のMG-TFの発展系です。
仕様は、全長3,960mm、直列4気筒OHV、1,588cc、80HPで約10万台生産され約半数が、北米に輸出されました。
最後が、1957年のロンドン・ショーで発表されたロータス・エリートです。
クローズトボディのGTカーでFRPボディをそのままモノコックとして使用する特異なボディ構造になっています。空力的で美しいスタイリング、軽量なボディと高出力なエンジン、卓越した操縦性も相まってセブンとともにロータスのスポーツカーメーカーとしての地位を不動のものにしたモデルです。更にレースでもルマンで6回クラス優勝をしています。仕様は、全長3,660mm、直列4気筒SOHC,1,216cc、76HP,最高速度190km/hです。累計生産台数は、998台です。
本日はこれで終わりに致します。